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ペヤングのクチコミ、ドラマチックに書いてみた【神田桂一:『もしそば』作者がクチコミを書いたら】

Tカードのお買い物履歴や商品のクチコミができるカッテミル。ただ、何気なく買っているものだけに「普通においしかった」以上のものを書くのは難しい…。
そこで、『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(神田桂一・菊池良共著/宝島社)の文体模写で知られる著者のひとり・神田桂一さんに、クチコミを書く際のノウハウを教えてもらいます。

「良い商品」には「良いドラマ」あり

レストランクチコミサイトに寄せられた、私小説風のレビュー。肝心の味についてはほとんど説明せずとも、そのお店の魅力は伝わってくる迫真の表現技法。そんなレビューも、今や定番となりつつある。

人は素晴らしい商品に出逢えたとき、あふれ出んばかりの感情に動かされることがある。商品の良さを伝えたいのに、どう表現すればいいかが分からない時は、商品そのものではなく、商品を巡って起きた「ドラマ」で感動を伝えればいい。

「カップ焼きそば」でドラマを生むためのメソッド

ドラマチックなレビューを作るために押さえるべきポイントがある。

・利用時のシチュエーションの明記
・商品から想起される思い出の回想シーン
・実際の利用工程への「過度な」言及
・商品そのものへの「控えめな」感想

では「カップ焼きそば」でドラマチックなレビューを書くとしたらどうなるだろうか。まずは「ドラマチックな展開が生まれそうな」順に、カップ焼きそばのランキングを決めてみた。

1位:ペヤングソースやきそば(まるか食品)

ペヤング

「パッケージデザインをそのままに、構造を刷新する」という大幅な商品リニューアルの歴史が、すでにドラマを秘めている。またカップ焼きそばには類を見ない真っ白なデザインや、フタに張りつきがちな「かやく」も、新たなストーリーを生み出す伏線として有効である。

商品詳細・クチコミはこちら

2位:明星 一平ちゃん 夜店の焼そば(明星食品)

一平ちゃん

「夜店」というネーミングから「あの夏」を想起させるトリガーの役目を果たす商品。また、一平ちゃん名物の「マヨビーム」は、かけ方によって個性があらわれるポイントになる。

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3位:日清焼そばU.F.O.(日清食品)

U.F.O.

円状のフォルムとストレートな麺、エレクトロニックなヴィジュアルから想起されるのは70年代ロックナンバー。「濃い濃いソース!」というポップなコピーに心が躍る。

商品詳細・クチコミはこちら

では、1位のペヤングでドラマチックなクチコミを書いてみようと思う。

「貼りついた花びら」

フタが取り外しできたこともあった
パッケージに直接印字がされていたこともあった
それを乗り越えて、今の君がいる
でもまっ白な姿は変わらないままだ

休日の昼下がり
お湯が沸くまでのひと時を共に待ちわびる
ゆっくりと熱いお湯を注ぎ、ソースをフタの上で寝かしつける
気づいたら、君は湯切り用の爪を失っていた

随分と遠いところまで来てしまったような気がして
僕はおもむろに立ち上がると
湯切り用のシールを剥がし、ゆっくりと君を傾ける
そして君は、流し台を軽快に鳴らす
「ベコンッ」
これだ これだよ

フタを剥がすと、桜の花びらの如く一面に張りついたキャベツ
「やれやれ」
僕はため息をついて、湯気の立つ輝く乳白色の麺へ
まろやかなソースを振り撒いた

僕とペヤングは、そんな関係だ
これからもずっと続くだろうし、ペヤングもそれを望んでいると思う

クチコミ分解(クリックで拡大します)

新たな出会いと発見を探しに

カッテミル」では実際に購入した商品の感想を記録したり、購入者の意見を調べたりすることができる。自分の書いたレビューで「参考にはならないけど欲しい」と思わせることができたら、どれほど幸せだろうか。

また、今回例に挙げたペヤングのクチコミはロングVer.でお届けしたが、「カッテミル」ではここまで長いテキストを作る必要はない。というのも、200文字以内の字数制限があるのだ。コンパクトなサイズ感で、手軽に投稿できるのもまた乙なものである。

今日もまたどこかでドラマが生まれているはずだ。レビューを実践するなら、今である。

ペヤングのクチコミをしてみる
自分の買ったものからクチコミしてみる

神田桂一
一般企業勤務の後、週刊誌の記者を経て、フリーに。『ケトル』『POPEYE』などで執筆、初の著書『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(菊池良共著、宝島社)が続編と合わせて累計15万部のベストセラーに。

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