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アメリカ・ニューヨーカーに“お茶”を広めた伊藤園【世界の果てまでカッテミル】

日本のお茶で一番人気はやっぱりこれ。伊藤園の「お〜いお茶」 (c) Kasumi Abe

世界各国のお買い物事情と、現地の日本商品を紹介する「世界の果てまでカッテミル」。風薫る季節にピッタリなのが「お茶」。今回はアメリカ・ニューヨーク在住の安部かすみさんに、「砂糖入りの緑茶」から「無糖の緑茶」が浸透したニューヨークのお茶事情を伺いました。

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アメリカの常識だった「お茶に砂糖」

私がアメリカに最初に来たのは1990年のこと。ホームステイ先のアメリカ人ホストファミリーの家にはお茶のようなものは一切なく、水分は水かコーラのような炭酸飲料が主流でした。

滞在中、ファミリーに何度か食事に連れて行ってもらいました。ある日、チャイナタウンのレストランに入ったときのこと。ファミリーが、出てきた白いご飯に「味がない」と醤油をかけ、温かいお茶にたっぷり砂糖を入れているのを見て、カルチャーショックを受けたものです!

それから12年後、私は再び留学生としてニューヨークを訪れました。当時からスーパーやデリ(街角にある商店)では、紅茶類のティーバッグは売られていたように記憶しています。そしてやはり、お茶といえば「砂糖入り」が常識でした。砂糖抜きの日本のお茶らしきものはいっさいなく、ペットボトルで販売されているものは甘い紅茶類か、レモンやアプリコットなどのフルーツ味が添加されたジュースのようなお茶でした。

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Twiningsは昔からアメリカでも馴染みのある紅茶のブランド (c) Kasumi Abe

外出中に甘くないお茶を飲みたくなったら、日系のスーパーかチャイナタウンに「わざわざ」買いに行くしかありませんでした。私は外出時、自宅で淹れたお茶をポットに入れて持参したものです。

南米出身の留学仲間には、「お茶をよく持って来る子」というイメージがついたようで、今でも言われます。彼らにとって、コーヒーではなくお茶を飲むという習慣は「エレガント」なイメージらしいです。

アメリカのお茶事情を変えた伊藤園

しかし私が再渡米した2002年ごろから少しずつ、ニューヨークのお茶事情は変わってきました。伊藤園のお茶を米系の店でも見かけるようになり、数年以内に一気に規模が拡大しました。

ITO EN (North America) INC.が設立されたのは、2001年5月なので、私が再渡米したときは、ちょうどアメリカにおけるお茶事情の変換期だったのかもしれません。

伊藤園は大きなペットボトルも販売。緑茶抹茶玄米茶ジャスミン茶、烏龍茶、ほうじ茶、「濃い茶」などさまざまな種類がそろう (c) Kasumi Abe

伊藤園に続けと、京都の一保堂茶舗も2013年以来、ニューヨークに店を構えています。

今では外出先でお茶を飲みたくなったら、マンハッタンの中心街ならまず困ることはありません。デリなどでは、そこらじゅうのお店で緑茶、麦茶、玄米茶、ジャスミン茶など、さまざまな日本のお茶がペットボトルで売られています。

伊藤園 お〜いお茶 緑茶 ペット 525ml

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みんなの総合評価:4.41

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ただし、アメリカ人が日常的にペットボトルのお茶を利用しているかと言えば、そこまでは浸透しておらず、彼らが外出先で手にしているのは、ペットボトルの「水」が圧倒的に多いです。

売れ筋は「お〜いお茶」

マンハッタンにある日系スーパーのお茶コーナー。伊藤園の各種お茶やTeas’ Teaライン、サントリーの烏龍茶や伊右衛門茶、コカコーラの爽健美茶や綾鷹、キリンの生茶、盛田(ハイピース)の東方美人茶など、さまざまなペットボトル茶がそろう。値段は1.99ドル〜 (c) Kasumi Abe

とある、マンハッタンにある日系スーパーで、店の売れ筋を聞いてみました。まず聞かれたのは「砂糖入りですか?砂糖が入っていないものですか?」。もちろん砂糖が入っていないものを教えてもらいました。

一番人気は、伊藤園の「お〜いお茶」だそうです。また、サントリーの伊右衛門 特茶やキリンの生茶も人気とのこと。

サントリーの伊右衛門 特茶は3.79ドル (c) Kasumi Abe

キリンの生茶は2.69ドル、ディカフェタイプは3.29ドル(料金はお店によって異なる) (c) Kasumi Abe

キリン 生茶 PET 525ml

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みんなの総合評価:4.35

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「コンブチャ」も大人気

ニューヨークの健康オタクの間ではここ数年、コンブチャも人気です。昆布茶ではなく、紅茶キノコという発酵飲料のことです。紅茶や緑茶に砂糖を加え、キノコに見えるゲル状の塊を漬け込んで発酵させたもので、当地では「健康茶」として飲まれています。

米系デリで見かけた各種Kombucha 3.89ドル(料金はお店によって異なる) (c) Kasumi Abe

またニューヨークでは、依然としてチャイティーも人気ですし、ここ7、8年ほどずっと抹茶ブームで、抹茶専門のカフェなどが続々とオープンしています。

また、スターバックスが手がけるお茶をテーマにした「Teavana」やソーホーの「T2 Tea SoHo」やブルックリンの「Bellocq Tea Atelier」など、茶葉専門店もとても人気です。

「アメリカ人はお茶を飲まない」は、もう今は昔になっています。ニューヨークに来ることがあれば、ぜひさまざまなお茶を試してみてください。

日本、中国、インド、ネパールなど世界中から輸入された100種類もの茶葉がそろう、ブルックリンのおしゃれな茶葉専門店「Bellocq Tea Atelier(ベロック・ティー・アトリエ)」 (c) Kasumi Abe

安部かすみ(あべ かすみ)

在外ジャーナリスト協会「Global Press」会員。Yahoo!ニュース個人オーサー。2002年ニューヨークに移住。2007年より在ニューヨーク出版社に勤務しシニアエディター職を経て、2014年に退職し独立。2018年初の著書『NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ(旅のヒントBOOK)』(イカロス出版)を刊行。

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