文体模写でブームになった『もしそば』著者のひとり・神田桂一さんによるカッテミルでのクチコミノウハウ。今回はバレンタインデーの「チョコレート所作」とともにお伝えします。
自意識過剰だろうか。バレンタイン当日にチョコレートが買いにくい。
しかし「あ、今日バレンタインだからチョコレート買ったんでしょ」と変に思われるのは心外である。どうすれば良い。そんな時はバレンタインらしさのないチョコレートを選べばいいのだ。
もちろん「ひょっとしてバレンタインだから自分で買ったんですか?」と聞かれても答えられるよう、ビジネスライクで意識の高い口コミも添えて。
「いじられないチョコレート」をランキング化する
まず、当日「バレンタインだから〜」と勘ぐられないチョコレートを選ぶポイントが3つある。
・中長期的なプランを立てて食べられるもの
・機能性の高いもの
・オフィスにふさわしいもの
上記ポイントを踏まえ、3位から順番に「いじられないチョコレート」を発表する。
3位:明治 ミルクチョコレートスティックパック
「ケース入り→持ち運びしやすい→オフィスっぽい」ということで、あまり色気が無いところがポイント。数日前から準備しておくことで「いつも持ってますけど?」という牽制もかけられる。
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2位:明治 チョコレート効果 カカオ72%
「ビターチョコレートは意識高い系と思われるのが嫌で買えない」という声を聞いたことがあるが、そのイメージを逆に利用すればいい。
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1位:グリコ GABAミルク
最もオフィス向き、かつ良い意味で色気の無いチョコレートである。「一時的なストレスを和らげる」という点がポイント。糖質を欲していることを見せつつ、かつバレンタインを匂わせずに楽しめるのは、GABAである。
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では1位のGABAで、ビジネス目線の口コミを書いてみようと思う。
前回に引き続き、味には極力触れないこと。意識高めの口コミには、「テキストの引用」「カタカナ用語」「批判への牽制」の3点をおさえることが重要だ。
「エフィシエンシーの向上が期待できます」
>事務的な作業による一時的・心理的なストレスを低減する
商品のアセットはこのテキストに集約されます。「ストレス」というビジネス上のイシューに対し、
コンティンジェンシープランを提供する点に感銘を受けました。
ユーザビリティも高く、業務上のエフィシエンシーの向上も期待できそうです。「バレンタインだからチョコレートを」という短絡的なご意見はアグリーしかねます。
考え方をリバイズしていただければと。
べ、別にチョコが欲しいわけじゃないんだからねっ
ここまでビジネスライクな口コミであれば、さすがに「あ、バレンタインだからチョコ買ったんだ」と言われるはずはないのだ。「そのチョコ美味しいですか?」と聞かれた時のためにも、こういった感想を準備しておくと良いだろう。そして備忘録がてら「カッテミル」で口コミを記録しておくのがいい。
また、万が一「バレンタインだからでしょ」と言われてしまった場合は、そのエピソードも含め、口コミでシェアしてほしい。きっと日本全国各地のサラリーマンたちがアンテナを張っているはずである。そして思うはずだ。
「やっぱり、義理でもいいからチョコは欲しいな」と。
GABAのクチコミをしてみる
自分の買ったものからクチコミしてみる
神田桂一
一般企業勤務の後、週刊誌の記者を経て、フリーに。『ケトル』『POPEYE』などで執筆、初の著書『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(菊池良共著、宝島社)が続編と合わせて累計15万部のベストセラーに。
次回は2月上旬に更新予定です!